FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すためには、インデックス積立投資(=インデックス投資信託を毎月決まった金額購入する)をして財産を増やしていくというのが王道です。ただし、インデックス積立投資をすると言っても、インデックスファンドもたくさんあり、どの銘柄を選ぶのかは難しいところです。数ある銘柄の中でも、おすすめできるのは米国株式連動型か全世界株式連動型のどちらかです。
この記事では、インデックス積立投資をする上で、米国株式に連動するインデックスファンドと全世界株式に連動するインデックスファンドのどちらを選ぶべきなのか、私なりの考え方を紹介したいと思います。
米国株式型インデックスファンドと全世界株式型インデックスファンドの違いは何?
まずは、そもそも米国株式型インデックスファンドと全世界株式型インデックスファンドの違いを説明したいと思います。
どちらもその名前から推定できる通りですが、
- 米国株式型インデックスファンドは、米国=アメリカの株式のインデックスに連動した投資信託
- 全世界株式型インデックスファンドは、全世界=世界中の株式のインデックスに連動した投資信託
です。
もう少し細かく説明していきましょう。
米国株式型インデックスファンドは、米国株式のインデックスであるS&P500やNYダウに連動するインデックスファンドです。当然、中身は100%米国株式です。具体的な投資信託の銘柄としては、”eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)”や”SBI V S&P500インデックス ファンド”などが有名です。
一方、全世界株式型インデックスファンドは、全世界を対象としたインデックスであるMSCIオールカントリーワールドインデックスやFTSEグローバルオールキャップインデックスなどに連動するインデックスファンドです。
具体的な投資信託としては、”eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)”や”SBI・全世界株式インデックス・ファンド”、””楽天・全世界株式インデックス・ファンド”などがあります。
では、全世界株式型インデックスファンドは具体的にどんな国に投資しているのか。例えば、eMAXIS Slim 全世界株式の中身を上位から並べると、アメリカ62%、日本5.4%、イギリス3.7%、カナダ3.1%、フランス2.7%となっています。つまり、全世界株式の約6割は米国株式になっています。全世界株式インデックスファンドを買っても、半分以上は米国株式型インデックスファンドと同じ米国株式を買っているということになります。
三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim全世界株式 交付目論見書より
このように米国株式型も全世界株式型もメインが米国株という点では似通っています。
ただし、そのコンセプトはだいぶ違います。
インデックスはずっと同じ銘柄が組み入れられているわけではなく、銘柄の入れ替えがあります。その都度それぞれのインデックスのコンセプトに従って銘柄入れ替えが行われています。
米国株式型が連動しているS&P500やNYダウは米国株式の中でしか銘柄の入れ替えがありませんが、全世界株式型が連動しているインデックスは全世界を対象に銘柄の入れ替えがあります。
MSCIオールカントリーワールドインデックスは、先進国と新興国の株式の合計を時価総額比率で加重平均して指数化、つまりインデックス化したものになっています。
つまり、簡単に言うと世界中の株式の中で、時価総額が大きいものはたくさん入っているし、時価総額が小さいものは少ししか入っていないということです。
MSCIオールカントリーワールドインデックスは今は米国株式が6割以上入っていますが、世界の中で米国株式の時価総額が下がってくれば組入比率が下がってくるし、他に成長して時価総額が大きくなった国があればその国の組入比率が上がっていきます。
将来的にアメリカの成長が止まってしまい、株価が上がらなくなってしまったとしても、他の国がどんどん成長してくれるのならば、全世界株式インデックスファンドはどんどん価格が上昇していくことになります。
逆に、そういう状態になった場合、米国株式型インデックスファンドの価格は下がっていくことになります。
インデックス積立投資は、長期的に平均的な成績が出せる投資対象に投資するべき!
では、インデックス積立投資に最適なのが米国株式型なのか全世界株式型なのかを考える前に、インデックス積立投資とはどういう投資なのか、そしてどういう投資対象に投資すべきなのかを考えていきましょう。
インデックス積立投資は、長期にわたってインデックスに積立投資をすることで経済の成長によるインデックスの価格の上昇でもうけを得る投資です。短期的な価格の変動はドルコスト平均法で投資価格を平均化し、長期で積立することにより、短期的な値上がり・値下がりではなく、長期的な経済成長による値上がり益を受け取る方法になります。
重要なことは、インデックスに長期で投資していくということです。買う銘柄を個別に選ぶのではなく市場全体をインデックスという形で買う、そしてタイミングを見計らうことなく積立投資という形で毎月決まった額をドルコスト平均法で買っていく、そういう投資スタイルに合うインデックスを選ぶべきなのです。
そうすると、短期的にではなく長期的に見て、安定的に経済成長が見込めるインデックスが、インデックス積立投資に最適だということがわかると思います。
インデックス積立投資に最適なのは全世界株式型インデックスファンド
それでは、結論に行きましょう。インデックス積立投資に最適なのは、米国株式型なのか全世界株式なのか、どちらでしょうか。
米国株式型を選ぶということは、S&P500やNYダウなどを構成している米国株を選ぶということです。米国株を選ぶということは米国の銘柄を選んでそこに集中投資をするということになります。
今は、アメリカが世界の経済の中心ですし、成長率も非常に高いです。そのおかげで米国株式市場も好調です。ただし、アメリカが10年後も50年後も100年後も世界の経済の中心なのか、成長率が高いのかは誰にもわかりません。
中国やインド、それ以外の新興国の経済成長の方が大きくなっている可能性もあります。
一方、世界経済は成長し続けるだろうということはほぼ間違いないと思います。資本主義経済の中で、もっと豊かになりたいと思う人たちがいる限り、経済成長は止まりません。
特定の国が成長し続けるのかどうかを予想することは非常に難しいです。また、特定の国がこの先ずっと世界経済の先頭であることはなく、いつかどこかで入れ替わることもあると思います。
だから、私がおすすめするのは、全世界株式インデックスファンドに投資することです。
全世界株式インデックスファンドならば、その時その時の世界経済の成長を引っ張っている国への投資割合が高くなります。そして、他の国が成長してきた時には自動的にその国の投資割合が高くなります。この先ずっと同じ投資信託に投資していたとしても、インデックスファンド側で自動的に投資対象を入れ替えてくれるのです。
まとめ
・全世界株式型インデックスファンドの中身の半分以上は米国株。ただし、米国株式型インデックスファンドと違うのは世界中を対象に銘柄入れ替えがあること。
・インデックス積立投資は、長期的に見て世界経済の成長にかけることができる銘柄を選択するべき
・インデックス積立投資に最適なのは、全世界株式型インデックスファンド
ということで、みなさんの投資信託の銘柄選びの参考になればと思います。
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