家計管理は月々の収支だけではなく、生涯で使えるお金をどのタイミングで何にどれだけ使うのかを意識するのがいい。

お金に対するマインド

家計管理ってどうやっていますか?

月々の収支で管理するのが普通だと思います。年間の収支で管理して、1年間でどれだけ貯金できたという管理の仕方もあると思います。

でも、それだけでは不足する観点があります。今日はもっと大きな視点で家計を捉える方法をお伝えしようと思います。

一生で使えるお金の額はほぼ決まっている。

サラリーマンの平均生涯年収は、

 男性 2億6190万円

 女性 2億2120万円

となっています。(ユースフル労働統計2022より。大学・大学院卒 60歳までで退職金を含めない金額)

このうち、税金が引かれてしまいます。税金を仮に25%とすると、平均生涯手取り額は、

 男性 1億9640万円

 女性 1億6590万円

となります。

つまり、あなたが一生で使えるお金は、男性であれば1億9640万円、女性1億6590万円とほぼ決まっているのです。

(実際は退職金が追加されたり、年金が支給されたりするのでもう少し多いですが)

そして、その中から衣食住に関わる生活資金はどうしても必要になってきます。さらに結婚資金や子育て費用、老後の資金等も捻出しないといけません。

それらをのぞいた額があなたが本当に自由に使える額になります。

そして、あなたが例えばすでに40歳だったとすると、この生涯使えるお金はだいぶ減っていることになります。今時点で貯金が0だとしたら、今から稼ぐお金でやりくりしていかないといけません。

とにかく”一生で使えるお金はほぼ決まっている”のです。

生涯で使えるお金をどのタイミングで何にどれだけ使うかをよく考える。

一生で使えるお金の額はほぼ決まっていることがわかりました。

働いていればお金が給料として毎月入ってくるのですが、実はその総額はすでに働き始めた時にほとんど決まっているということです。

とすると、

”死ぬ時にお金がなくならないこと”

イコール

”一生でのお金の収支がプラスになっていること”

があなたがお金に困らないための条件になります。

月々の収支や年間いくら貯金できたかは本当は関係ないということです。

現時点で月々の収支がプラスでも年間でいくら貯金ができていようとも、死ぬ時までお金が残っていないと生きていくことができません。

逆に、今時点の家計が赤字だったとしても、死ぬ時の収支がプラスになるのであれば、本来は問題ないことになります。(ただし、途中でお金がなくなるので、借金をしたりしてしのがないといけなくなりますが。)

今お金のやりくりが何とかできているから大丈夫と考えることは非常に危険です。

  • 結婚資金はありますか?
  • 出産・子育て資金はありますか?
  • 家を買う資金はありますか?
  • 老後の資金はありますか?

これらのお金が必要になってから貯めるのでは遅いのです。

生涯で使えるお金はすでに決まっているのですから、毎月や毎年、お金を貯めていこうという増えていくイメージは実は少し間違った感覚です。すでに決まっている生涯年収=あなたの取り分から必要になる資金をあらかじめ取り置いておくという感覚です。

ここを間違って認識していると、例えば

”まだまだ結婚しないで独身でいよう。その分自由になるお金が増えて遊べる。”

というような勘違いが生まれます。

結婚が早かろうが遅かろうがライフイベント(結婚・出産・育児・住宅購入・老後)は一緒なので、あとで必要となるお金は一緒なのです。

結婚が遅くなり、住宅購入も遅くなると、住宅ローンを返済し終えるのが定年退職間際になってしまって生活が苦しいというようなパターンもよく聞きます。これも結局は生涯使えるお金が決まっているということが意識できていないからです。

借金は生涯で使えるお金を減らしていると認識すべき

借金をするということは金利を払う必要があるということです。

生涯で使えるお金の中から金利を払うので、当然使えるお金が減ります。つまりお金をその分捨てているのと同じです。

借金のメリットは、借金した分早く物を手に入れられること。お金を貯める前に物が手に入るということです。

だから、少し我慢すれば借金をせずに買えるような物に借金をするのは非常に損です。

特に消費者金融・クレジットカードの分割払い・自動車ローンは、金利が非常に高いのでムダ。

借金・ローンは、月々で返せる額ならば問題ないと考えてしまいがちですが、あなたが生涯で使えるお金を金利という何も価値を生まないものに払っていることになります。使えるお金をどんどん減らしていっている、つまり自分が欲しいものを買うお金がどんどん減っていると考えましょう。

生涯で使えるお金が決まっているので後からでは挽回がききません。生涯で使えるお金を減らしてまでも早く手に入れたいものかをよく考えましょう。

家の購入も本質的には同じです。

家は購入金額が大きいだけに、借金しないと買えないという人が多いでしょう。ただし、その場合もどれだけ借金の額が減らせるかを考えましょう。

3000万円の住宅をすべて借金で35年ローン、金利1.88%で買うと、金利だけで1096万円払うことになります。(2023年2月時点での住宅金融支援機構フラット35の金利1.88%で計算)

つまりあなたが生涯で使えるお金が約1100万円減ることになります。

一方、1500万円の頭金を払って、半分を同じ35年ローン、金利1.88%で買うと、金利は483万円になります。

つまり3000万円借金するときと比べて、約600万円生涯で使えるお金が増えることになります。(車が2台ぐらいは買えますね。)

まとめ

  • 一生で使えるお金はほぼ決まっている
  • 一生で使えるお金をどのタイミングで何にどれだけ使うかをよく考える
  • 借金は生涯で使えるお金を減らしていると認識するべき

毎月の収支も大事だけれど、本当に重要なのは生涯の収支です。生涯使えるお金をあなたの人生の中でどう振り分けていくのかという観点を持つだけでもお金の使い方が変わると思います。

どうせ使うならば、借金の金利を払うために使うよりも、自分の欲しい物を買うことに使う方がいいと思います。そういう使い方ができるように生涯で使えるお金をどう貯めてどう使うかを考えましょう。

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